綾瀬東町会《夏休み特別企画》
綾瀬東町会子ども句会
選句結果発表
綾瀬東町会夏休み特別企画「子ども句会」に多くの作品を応募していただき、大変にありがとうございました。
綾東句会にご協力をいただき、8月7日に選句会が行われ、最優秀作品、優秀作品、入選作品が以下のように決定いたしました。
(なお、個人情報保護の観点から、作者名は非公表とし、学年・男女別のみといたします)
季題(テーマ):「夏休み」
〈最優秀作品〉
背比べ 母を追い越す 夏休み
小6・女子
(評:母との背比べを通し、子どもが自分の成長を素直に感じていることに感銘した。今後の健やかに成長されんことを願う)
〈優秀作品〉
くわがたを にがしてあげた 夏休み
小1・男子
( 評:「くわがた」は夏の季語で季語重なりとなるが、つかまえた情景が目に浮かぶことから活かしたい。生き物に対する子どもの優しさを感じる。この気持をこれからも大切にしてほしいと願う)
夏休み 地面に残る 汗の跡
中2・男子
(評:汗は夏の季語で季語重なりではあるが、ひたむきな情熱を感じるので活かしたい。スポーツに打ち込んでいるのであろうか、青春の一時を感じる)
〈入選〉
マスク焼け サッカー三昧 夏休み
小3・男子
(評:「サッカー三昧」は8文字と数えるので字余りとなるが、好きな気持ち、打ち込んでいる姿を表す「三昧」は外せまい。コロナ禍でサッカーをするのにもマスクが外せなかったのだろう。時勢の句として良い)
夏休み 綾瀬の町を 歩きます
小3・女子
(評:綾瀬の地元を詠んだ一句。旅行等の自粛に伴い、せめてと地元を探索したのだろうか。地域を歩いて何を発見したのかが織り込められたらなお良し)
夏休み 夜更かししてる 子ども達
小4・男子
(評:早寝早起きは推奨されるものであるが、子ども達とあることから、遅くまではしゃぎたくなる気持ちも理解できる。夏休みならではの子どもらしい情景が目に浮かぶ)
汗じわり アイスがかかせぬ 夏休み
小5・女子
(評:汗、アイスはともに夏の季語であるが、夏の暑さがより強調されたユニークな句となっている。「アイスがかかせぬ」で字余りになってしまったのがもったいないので、「アイスかかせぬ」としたい)
宿題を すぐに片付け 夏休み
小5・女子
(評:先に宿題を片付けてしまうのは詠み手の性格か。この後楽しみにしていることがたくさん待っているのだろうな、と微笑ましく推測した)
夏休み ブルーインパルス 夢描く
小5・男子
(評:東京2020オリンピック開会式の日に、空を見上げた人も多かったろう。ブルーインパルスの編隊が東京の空に描いたスモークの軌跡にどのような夢を抱いたか。ちなみに「ブルーインパルス」は8字と数える)
天の川 キラキラ光る 夏休み
小5・男子
(評:「天の川」は夏の季語であり、季語重なりとなるが、東京ではなかなか見ることのできない満天の星空を実際にみたのだろうか。キラキラ光る、と素直に詠んだのが好印象)
花を折り 祖母にたむける 夏休み
小6・女子
(評:「花」は俳句の世界では「桜」を意味する季語とされているが、夏休み、お盆の時期ならではの表現か。祖母への募る思いが伺える)
宿題に 頭をかかえる 夏休み
中1・男子
(評:「頭をかかえる」が字余りとなってしまっているのが残念。「頭かかえる」としたい。中学生になって課題も難しくなったのだろうか。思わず応援したくなる)
二度とない この青空の 夏休み
中2・女子
(評:日常の風景の中に、青春の1ページを切り取った句ではないだろうか。中学生にとっては一日一日が大切。どんな気持ちで青空を見上げたか、想像が広がる)
楽しみだ 待ちに待った 夏休み
中2・女子
(評:「待ちに待った」は字足らずであるが、夏休みが早く来てほしいとい焦らされている思いの表われか。「待ちに待ちたり」等にしたいところであるが、子どもらしい素直な感情表現と捉えたい)
【総評】
初めての試みではあったが、予想よりも多くの応募を頂いて大変に嬉しく思った。選句にあたっては一応は俳句のルール(季語重なり、五七五など)に基づいて行ったが、それに縛られることなく、どの句も子どもらしい自由で素直な感情が詠まれており、選者にとってもあれこれと想像の範囲が広がり、楽しい選句会となった。
今回の応募では、「夏休み」という季語しばりが強すぎたので、かなり悩ませてしまったかもしれないので、次回開催時には、もう少しテーマの範囲を広げていきたい。
選句会の様子。綾東句会の皆様大変にありがとうございました。
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